2012年 06月 16日
第66回日本民藝協会全国大会 |
2012年6月16日(土) 京都ホテルオークラ (参加数 192名)
・総会議事と記念講演(熊倉 功夫氏)
・夕方から懇親会
京都民藝協会小谷二郎会長より、「民藝協会も大変な時にさしかかった。お互いに顔を見手を握り合う『絆』の大切さ」を訴えられ本大会の意義を強調されると共に民藝誌の購読推進を呼びかけられ、金光新体制への期待にエールを送られました。
日本民藝協会金光章会長は、関東大震災後の「白樺」の廃刊や柳宗悦の京都移住、大正13年から10年間の活躍、この間の「民藝」の誕生等々、柳宗悦の歴史を振り返り東北大震災後の京都大会に深き因縁を感じると述べられ、民藝の「柳宗悦の原点に返ることをお願する」とされ、民藝の形式化に陥ることなく自由を学べとし、民藝の人間のあり方、考え方は柳先生の著作を読んで実行することに期待すると示唆に富むお話で結ばれました。
熊倉功夫先生の記念講演 「民藝ー過去・現在・未来ー」
・ご講演の主旨 柳先生はジャーナリックスな考え方、持ち方をする人で時代に敏感で発信力を持っている人、大正時代は民の時代で柳田国男の民俗学をはじめとしていろいろな民が盛んになり民藝の民もその民にお呼応した形で浸透発展。戦後は民主主義の民に溶け込んだ形で隆盛するも現代は階級性のない新中間層の誕生、封建制批判の不在、民衆の終わりで民が死語となり近代の流れに抗しきれないのが現状である。そこで今、価値観の多様化の中、民藝を未来へ繋ぐ命題として柳理論を明るい方向へと転換の必要性を説かれ、
・民藝は宗教ではないのいで無謬性に固執しない。
・民藝美の絶対性を否定、相対的存在であると執え、排他的にならない。
・美の質の相違を認め選択し得る考え方をもつ許容性の必要。を話され日本人が美という言葉で語る以前の近い言葉「好み」が大事で、この言葉は美意識のわび、人間のあり方、生き方、おもてなしの心をも包括しているのではないか。民藝の思想は「いかに暮すべきかを問い多量生産、多量消費の現代も、心に通う「用と美」「真摯な自然の共存」等々、今も生活スタイルのリアリティとして生き続けてゆく大切な課題であるとご提示いただきました。
by kyotomingei
| 2012-06-16 14:23
| 活動報告